雨漏りの可能性も?屋上緑化の暑さ対策の有効性やメリット、デメリットを解説

雨漏りやメンテナンスのデメリットもある屋上緑化で暑さ対策を行い、芝生やコケ類に覆われた建物の屋上

工場やビルなどの屋上に植物を植える「屋上緑化」。
暑さ対策とエコを両立できる、建物の景観も良くなることから、環境配慮型の施策としてこれから取り入れたい、またはすでに取り入れている企業や事業所も多いです。

一方、屋上緑化が継続して効果を発揮するためには、きちんとした手入れも必要になります。手入れやメンテナンスをせずに放置してしまうと、屋上緑化から雨漏りが発生する可能性もあるためです。

今回は、屋上緑化の暑さ対策の有効性も踏まえたメリットや、雨漏りや手入れをはじめとするデメリット、有効な暑さ対策の方法を解説します。

エコの観点からも注目されている、屋上緑化のメリット

雨漏りやメンテナンスのデメリットもある屋上緑化で暑さ対策を行った建物の屋上

屋上緑化とは建物の屋上に、芝生やコケ類を植えた構造体を敷き並べる工法です。

直射日光を建物に当てないことで、最上階の暑さ対策が期待できます。
さらに植物が二酸化炭素を吸収するため環境に配慮した工法としても注目されています。

グリーンを屋上に設置することで、景観が良くなるのもメリットです。

ところが、屋上緑化は雨漏りを起こす可能性があります。

屋上緑化によって雨漏りが起きる可能性も!

メンテナンスなどのデメリットもある屋上緑化で暑さ対策を行い、雨漏りしてしまった室内

屋上緑化は隙間の発生する工法

屋上緑化によって植物が雨よけになる、つまり雨漏り防止も期待できるのでは?
とイメージされる方も多いかもしれません。

ところが屋上にぴったりと植物を敷き詰めることは不可能で、どうしても隙間ができます。
植物ではカバーできない隙間は建物部分が露出したままとなるため、直射日光や雨水は直接あたることになります。

その結果、劣化した建物部分から亀裂が生じ、雨水が侵入すると雨漏りが発生するのです。
屋上緑化をしたからと言って雨漏りへの対策はできない、ということは覚えておきましょう。

土や種子が雨樋を詰まらせる原因にも

屋上緑化の土や肥料、種子が流出すると、屋上の雨樋を詰まらせることがあります。
屋上緑化の環境は、雨樋に入り込んだ種子が発芽したり、雑草が発生したりと詰まらせる条件が十分にそろっているといえるでしょう。

↓樋が草と土で詰まった状況

雨漏りやメンテナンスのデメリットもある屋上緑化で暑さ対策を行い、草と土で詰まってしまった雨樋

↓ドレンの場合の詰まり事例

雨漏りやメンテナンスのデメリットもある屋上緑化で暑さ対策を行い、詰まってしまったドレン

コンクリート造の建物は樋と屋上が一体となっているため、雨樋が詰まることで行き場を失った雨水が屋上からあふれます。
屋上にたまった雨水は直射日光にさらされることで、やがて温水プールのような60℃ほどの温かい水たまりとなります。
温度の高い水たまりは、熱に弱い屋上防水シート部分の継ぎ目の劣化や、排水ドレンの鉄部分、ドレンとコンクリートの接着部分の錆の発生を引き起こします。
劣化した継ぎ目や、錆によって膨張したコンクリートが破損することで、建物内部に雨水が侵入し、雨漏りの原因となるのです。

また、雨樋からあふれた雨水が建物の壁面に流れて、壁面にできているひびや割れ、目地の切れ目から室内に侵入することでも、雨漏りは発生します。

屋上緑化を行っていない建物でも、周辺に畑や果樹園などがある場合は風で運ばれてきた砂や土、種や落ち葉などが屋上まで舞い上がり、雨樋を詰まらせることがあります。
雨樋に近い場所に植物のある屋上緑化は、より雨樋の詰まりが発生しやすい環境であると言えるでしょう。

屋上緑化は春夏秋冬の手入れが重要!

雨漏りなどのデメリットもある屋上緑化で暑さ対策を行い、メンテナンスをする様子

定期的な手入れとメンテナンスで雨漏りは防げます

屋上緑化の手入れの目安は、春夏秋冬の年4回ほどです。
植物の手入れや土の管理など、適切な環境を整えることで雨漏りは防げます。
逆に手入れを怠ると雨樋が詰まって雨漏りしやすくなるほか、植物が枯れることで土が露出し日射熱を吸収してしまい、屋上緑化による暑さ対策効果も得られなくなってしまいます。

雨樋の状態を確認するのも重要です。
雨樋がゆがんでいると、雨水がスムーズに排出されなくなります。

また、雨樋が昔のもののままになっている場合も注意が必要です。
近年、風や雨などの気象条件も昔に比べて強くなっていることを受けて、雨樋も昔のものより深く、幅が広いものを採用している建物も多くなりました。
古い雨樋のままでは今の雨量をうまく排水できず、逃げ場のなくなった雨水によって雨漏りが発生する可能性があります。
雨樋の状態も定期的にチェックしておきましょう。

メンテナンスやコストを考えるなら別の方法も

屋上緑化の手入れやメンテナンスの労力を自社でまかないきれないときには、
有償で手入れやアフターサービスに対応する業者さんを利用する方法もあります。
コストはかかりますが、屋上緑化による暑さ対策、二酸化炭素吸収などのメリットを十分に受けられるでしょう。

屋上緑化のコストやメンテナンスが気になるときには、ほかの工法を検討する方法もあります。
たとえば暑さ対策のために屋上緑化を検討されているのなら、直射日光を反射することで暑さ対策ができる遮熱塗料をもちいる方法もあります。
遮熱塗料なら屋上緑化のような定期的なメンテナンスは不要、ランニングコストも不要になるのもメリットです。

・遮熱塗料ミラクール
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屋上の暑さ対策の工法には、ほかにもさまざまな方法があります。
それぞれのメリット・デメリットを比較し、自社に適切な屋上工法の導入につなげましょう。

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