スポットエアコンのメリット・デメリット。地中熱スポットエアコンという新しい選択肢

スポットエアコンのメリット・デメリット。地中熱スポットエアコンという新しい選択肢

工場や倉庫などの大きな施設の空調にはいくつかの方法がありますが、スポットエアコンもその一つです。

スポットエアコンは、コンパクトで移動させやすくかつ局所的な暑さ対策ができる特徴を持っています。
通常は電気で動かしますが、中には地中熱を利用したスポットエアコンがあるのをご存じでしょうか。

再生可能エネルギーの一つである地中熱を利用したスポットエアコンは、省エネやエコの観点から、新たなスポットエアコンの選択肢として関心を集めています。
また、同じスポットエアコンでも通常のものにはない特徴が、地中熱スポットエアコンにはあります。

本記事では、スポットエアコンのメリットとデメリットと共に、地中熱スポットエアコンの特徴についても解説します。

スポットエアコンとは

スポットエアコンは、エアコンのように取り込んだ空気を冷却し、再び外に送りだす空調機器の一つです。移動式のクーラーを想像するとイメージしやすいかもしれません。

スポットエアコンの本体には、排気リードダクトと吹出口の2種類のダクトがついていて、排気リードダクトは熱風を排出し、吹出口からは冷風が出てきます。本体の裏側にはドレンが設置されていて、ここに発生した水分をためておきます。

特定の場所の冷却を目的としているスポットエアコンは、室内全体を冷却するエアコンと異なり、冷却したい場所に本体を移動させて使用します。また排熱方法にも違いがあり、エアコンが冷風のみを室内に送風して外に排熱するのに対して、スポットエアコンは冷風と熱風の両方を室内に排出します。

スポットエアコンは、住宅をはじめ公共施設、イベント会場、工場や倉庫などに利用されています。
スポットエアコンには家庭用と業務用の2種類があり、工場などの大きな施設で使われているのは、業務用のスポットエアコンである場合がほとんどです。家庭用スポットエアコンの冷房能力は0.7~2.0kW程度ですが、業務用スポットエアコンは、2.0kW以上。中には5.0kW以上の商品もあります。工場や倉庫のような広い施設の空調が目的であるのなら、業務用スポットエアコンを選ぶのが無難です。

スポットエアコンのメリットとデメリット

公共施設、イベント会場、工場や倉庫などに利用されている、スポットエアコンのメリットとデメリット

スポットエアコンには、メリットとデメリットの両方があります。メリットとデメリットについて、それぞれ詳しく見てみましょう。

スポットエアコンのメリット

①設置しやすい
スポットエアコンの設置に特別な工事は不要です。エアコンのように室外機を設置する必要もありません。電源コードをコンセントに差し込むだけで稼働するので、誰でも気軽に暑さ対策ができる点においてメリットと言えるでしょう。

②ピンポイントで素早く冷却できる
スポットエアコンは、室内の特定の場所をピンポイントで冷却します。ピンポイント冷却は、室内全体の温度を下げるよりも時間がかからないため、「すぐに冷やしたい」という時に便利です。キャスター付きのスポットエアコンを選べば、冷却したい場所に素早く移動させて、より短時間での冷却が期待できるでしょう。

③メンテナンスが楽
スポットエアコンは、定期的なメンテナンスが必要です。けれども、お手入れの方法はフィルターについたホコリを取り除いたりドレンにたまった水を排水したりするだけなので、業者に依頼しなくても自分で容易にできます。

スポットエアコンのデメリット

①排気熱で室内温度が上昇する可能性がある
スポットエアコンの排気リードダクトから排出される熱風は、室内の温度上昇の要因となります。これを避けるには、室外への排気ダクトの設置が必要ですが、設置する場所を確保することと、コストの課題が発生します。

②空気が乾燥しがち
スポットエアコンは、取り込んだ空気を冷却する際に空気中に含まれている水分を除去します。その結果、湿度が下がり空気が乾燥します。空気が乾燥すると、喉や鼻の粘膜が乾燥し、雑菌やウイルスが体内に侵入しやすくなるといわれています。これは、健康面に影響を与えるという点において、スポットエアコンのデメリットと言えるでしょう。

③広範囲の冷却が難しい
スポットエアコンは、特定の場所を冷やすことを目的としています。室内全体を適温に保ちたいという場合は、新たな冷却装置が必要となるでしょう。

普通のスポットエアコンと地中熱スポットエアコンとの違い

地中熱を利用した地中熱スポットエアコンで快適な温度に保たれている工場のイメージ

スポットエアコンの中でも、地中熱を利用したものを地中熱スポットエアコンといいます。

地中熱とは、深さ約200メートルまでの地中に存在する熱のことです。一年を通じて温度差が少なく、室内を夏は涼しく冬は暖かく保ちやすい特徴から、現在さまざまな利用方法が開発されつつあります。
地中熱のしくみや活用例について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
「暑さ対策/寒さ対策」両方に効果的な「地中熱」とは?地中熱利用の現状について活用例をもとに解説

工場・や倉庫、店舗が抱える「暑さ対策/寒さ対策」両方に効果的な「地中熱」とは?地中熱利用の現状について活用例をもとに解説

「暑さ対策/寒さ対策」両方に効果的な「地中熱」とは?地中熱利用の現状について活用例をもとに解説

1年を通して建物内の温度を快適に保つことは、多くの工場や倉庫、店舗が抱えている課題ではないでしょうか。

地中熱スポットエアコンは、主に以下のパーツによって構成されています。
・地中に埋める専用パイプ
・給気ファン
・熱交換器
・ヒートポンプ
・吹出口

専用パイプから地中熱を取り込み熱交換器と給気ファンを伝って吹出口へと冷たい風を送ります。
地中熱という自然エネルギーを利用するため、電気をエネルギー源とする普通のスポットエアコンよりも、ランニングコストを低く抑え電気代削減につながるでしょう。
また、構造上の違いや特徴から、地中熱スポットエアコンは普通のスポットエアコンが抱えているデメリットを以下のように克服しています。

地中熱スポットエアコンは空気中に排熱しない

普通のスポットエアコンは、冷風と同時に暖かい空気を室内に排出します。地中熱スポットエアコンは、地中に埋めた専用パイプを通じて排熱と採熱を行うため、排気熱による室内の温度上昇を心配する必要はありません。
また、熱風を室外に排出するための排気ダクトの設置も不要です。そのため、排熱による外気への影響が減り、ヒートアイランド現象を抑制する効果も期待できます。

地中熱利用システムを通じて得られる環境負荷低減効果については、以下の記事で詳しく解説しています。環境に配慮した工場・倉庫の実現に関心のある方は、ぜひご一読ください。
【地球温暖化・省エネ・SDGs】再生可能エネルギー「地中熱」で持続可能な未来へ

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地中熱利用は、工場や倉庫、大型施設・店舗などにおける空調(冷房・暖房)に関する課題を解決してくれるだけでなく、SDGsの面でも良い影響を与えるとして注目されています。

湿度を適度に保ち空気の乾燥を防ぐ

地中熱を利用して室内の温度調整をする地中熱スポットエアコンは、空気の水分を奪うことなく、常に室内の湿度を適度に保ちます。空気の乾燥を防ぐことによって、喉や鼻の粘膜の乾燥防止につながります。

室内の温度差が少なくなる

地中熱スポットエアコンも普通のスポットエアコンと同じく、部分的に冷却することを目的としているため、室内全体を冷やすのには向いていません。けれども、普通のスポットエアコンよりも高い位置に吹出口を設置してそこから冷風を送りだすため冷却範囲が広く、室内全体をある程度まで冷やすことが可能です。

空気洗浄効果のある地中熱スポットエアコンは花粉やウイルスの予防に役立つ

空気清浄機能が搭載されている地中熱スポットエアコン「アースクール空調システムeco」で室内の空気がきれいな状態に保たれた工場・倉庫内のイメージ

あまり知られていないかもしれませんが、地中熱スポットエアコンの中には、空気清浄機能が搭載されているものもあります。

例えば、弊社で取り扱っている地中熱スポットエアコン(アースクール空調システムeco)は、熱交換パイプの底にたまった水分を利用して空気洗浄を行っています。
空気中に存在するホコリや花粉、PM2.5などがパイプ内に取り込まれてパイプの底を通ります。その際底にたまっている水にこれらの物質が吸着し、汚れを取り除かれた空気だけが機械の外に排出されます。これが、弊社が取り扱っている地中熱スポットエアコンの持つ空気洗浄のしくみです。

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暑さ対策・省エネ・換気を同時解決!アースクール空調システムeco

スポットエアコンは、室内を締め切った状態でも使えますので、花粉や黄砂が気になる季節でも、窓を開けずに室内の空気をきれいな状態に保ちます。

まとめ

スポットエアコンとは何かから、地中熱スポットエアコンの特徴までをご紹介しました。
スポットエアコンには、移動させやすく短時間で冷やしたい場所を冷却できるなどのメリットがあります。
その一方で、「排熱で室内温度が上昇しやすい」「空気が乾燥しやすい」「広範囲で冷却することが難しい」などのデメリットもありますが、そのデメリットを克服したのが地中熱スポットエアコンです。

環境面やコスト面、さらに健康面を考慮すると、空気を利用した暑さ対策には限界があります。現在の空調システムをエコや省エネにつなげるものに改善したいとお考えなら、地中熱スポットエアコンの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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