【急務】2倍速のアジアの温暖化!企業が今取り組むべき気候変動対策とは
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地球温暖化は大きな問題として注目されていますが、特にアジア地域では他の地域に比べて速いスピードで進行していることが懸念されています。
地球温暖化の問題は認識されつつも、かつてはどこか遠い未来の話のように感じられていました。
しかし、実際にはその影響がすでに私たちの身近なところまで及んでいるのが現状です。
アジア全域で被害は深刻化しており、日本も決して例外ではありません。
もはや状況を見守る段階は過ぎており、企業も気候変動に対して具体的な対応を進めることが不可欠です。
ひとつひとつの対策が温暖化の進行を抑えるきっかけとなるだけでなく、企業の存続にも大きく関わると言えるでしょう。
今回は、アジアで深刻化する温暖化の現状や被害、そして企業が今取り組むべき気候変動対策についてご紹介します。
アジアは2倍の速さで温暖化が進んでいる

世界気象機関(WMO)が発表した「アジアの気候の現状2024」によると、アジアの温暖化は世界平均の2倍以上のスピードで進行しており、直近10年間で海面水温は0.24℃も上昇しているというデータが示されています。
参照:「アジアの気候の現状2024」報告書|世界気象機関(WMO)
実際に、アジア各地ではこれまでにない高温が記録されています。
日本では気温40℃に迫る日が珍しくなくなり、突発的な豪雨などの異常気象も頻発しています。
2024年には福岡県太宰府市で、35℃以上の猛暑日が年間62日を記録しました。
こうした傾向は、日本に限らず東アジア全体に広がっており、韓国や中国でも月の平均気温が過去最高を何度も更新。
さらに東南アジアや中東、中央アジアでも熱波が相次ぎ、ミャンマーでは過去最高となる48.2℃を観測しました。
こうした異常気象の頻発は、アジア全体で温暖化が急速に進行していることを裏付けていると言えるでしょう。
アジアだけ温暖化が速い理由

なぜアジアの温暖化が地球平均の2倍以上の速さで進んでいるのか?
温暖化の進行が速く進んでしまう背景や、考えられる要因を解説します。
広大な陸地と内陸部の多さ
アジアは、ヨーロッパの約3倍にもなる世界最大級の大陸です。
陸地は海に比べて熱容量が小さいため、気温の変化が大きくなります。
温暖化によって気温が上昇すると、陸地の温度は海よりも早く上昇し、より暑さを感じやすくなります。
さらに、アジアには海から離れた内陸部が多く存在します。
内陸部では、気温の上昇を緩和する海風の影響が届きにくく、太陽の熱を大きく受けてしまいます。
こうした地理的条件が重なることで、アジアでは他の地域よりも温暖化が加速しやすいと考えられています。
エネルギー消費量の増加とCO₂排出
アジアでは、中国が世界全体のCO₂排出量の約30%、インドが約6%を占めており、経済成長が著しい地域が多く存在します。
経済の発展にともなって都市化が進み、工業や物流が活発になることで、エネルギー需要も急増しています。
この需要を支えているのが、石炭や石油といった安価な化石燃料です。
その結果、温暖化の主因となるCO₂の排出が増え、深刻な問題となっています。
温暖化によってアジアで実際に起きている被害

アジアでは、温暖化の影響による被害がすでに各地で発生しています。
同じ地域で起きていることでもあり、日本でもいつ起こってもおかしくない事例だと言えるでしょう。
熱波の長期化~熱中症の増加~
アジアの平均海面水温は、数十年にわたり上昇傾向にあり、特にアラビア海北部や太平洋で急速に上昇しています。
10年間でのアジアの平均海面水温の上昇率は0.24℃で、これは世界平均の0.13℃の約2倍にあたります。
2024年には、インド洋や黄海、東シナ海など広範囲で大規模な海洋熱波が発生し、熱波の影響を受けた海域は過去最大となりました。
こうした影響で、2024年にはタイでは熱中症による死者が前年の2倍近く増加しており、日本でも熱中症の救急搬送者数が増加傾向にあります。
参照:令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況|総務省(消防庁)
海面水位の上昇~低地の沿岸地域におけるリスク~
アジア地域では、海面水温の上昇に加え、海面そのものの上昇も深刻化しています。
特に1993年〜2024年の間に、アジア周辺の海面は世界平均を上回るペースで上昇しており、沿岸部の生活やインフラに大きな影響を及ぼしています。
インドネシアの首都ジャカルタでは、地盤沈下によって都市の約40%がすでに海面よりも低い位置にあるとされ、水没のリスクが指摘されていますが、そこへ近年の海面上昇がさらに拍車をかけることが懸念されています。
台風の勢力増大~土砂崩れ・洪水で死者多数~
温暖化の影響により記録的な豪雨が発生しています。
2024年の最強台風(台風11号)では、ベトナム、フィリピン、タイ、ミャンマー、中国などで、死者が出るほどの被害をもたらしています。
さらにインドでは、わずか48時間で500ミリを超える集中豪雨が降り、大規模な土砂崩れにより350人以上の死者が報告されています。
干ばつの深刻化~中国で広がる水不足の影響~
中国では、干ばつによる深刻な被害が報告されています。2024年には約480万人が影響を受け、約33.5万ヘクタールの農作物に被害が及びました。
経済的にも大きな打撃となっており、干ばつによる直接的な損失は約28.9億人民元(約593億円)にのぼるとされています。
工場や倉庫など事業現場にも広がる影響

アジア地域で広がる温暖化の被害ですが、国が受ける影響だけでなく、企業単体として受ける影響も深刻な問題です。
工場や倉庫など、事業現場でも広がっている影響について解説します。
冷房負荷の増大で、電力コストが増加
アジア各地では、近年の気温上昇により冷房の使用時間が増加しています。
特にインフラ整備が十分でない地域や電力供給が不安定な場所では、冷房の安定稼働が難しくなることもあります。
工場や倉庫の広い空間を適切な温度に保つために多くの電力が必要となり、電力コストの増加が経営面での大きな負担となっています。
作業環境の安全確保や熱中症対策として冷房の普及は望ましいものの、その負荷とコストのバランスが課題となっています。
高温による機器トラブルや劣化リスク
高温多湿な環境はアジア全域で広がっており、これにより機器や設備の劣化が進みやすくなっています。
特に湿度管理や空調設備が十分でない拠点では、機器の故障やメンテナンス頻度の増加が経営リスクとなっています。
作業環境の悪化が、安全・品質・人材確保に影響
厳しい暑さは作業者の健康に影響を及ぼし、熱中症リスクや労働災害の増加が懸念されています。
設備やインフラが十分でない拠点では、特に作業環境の悪化が顕著で、人材の確保や定着にも悪影響が及びます。
これにより品質低下や作業効率の悪化といった問題も生じるため、適切な対策が重要です。
温暖化対策で企業が取り組む事例

工場や倉庫などの事業現場へ広がる影響を踏まえ、企業で温暖化対策をしていく必要があります。
企業ができる温暖化対策の事例を紹介します。
空調や照明による省エネ化
省エネ機能搭載の空調設備や高効率LEDやセンサー付き照明の導入が進み、省エネ効果の向上に貢献しています。
エネルギー使用量の削減に効果的で、断熱材などの使用と合わせると、より高い冷房効率のアップが見込めます。
毎月のランニングコストにも関わるため、長期的なコストメリットを重視する企業にとっても導入効果は大きいといえるでしょう。
太陽光発電の導入
屋根に設置する太陽光パネルの導入も、温暖化対策として効果的な手段の一つです。
再生可能エネルギーを活用することで、電力会社からの購入電力を抑えられ、CO₂排出の削減にもつながります。
発電した電力を自社で使用できるほか、売電によって収益化できることもあります。
地域によっては補助金制度もあり、初期費用を抑えて導入できるケースもあるため、長期的な対策として検討しやすい方法です。
物流効率による排出量の削減
CO₂排出量の削減に向けて、物流効率の見直しに取り組む企業が増えています。
配送ルートや積載効率の最適化に加え、企業間での共同配送の導入も進んでおり、輸送回数の削減に効果を上げています。
また、物流業界では電気自動車の導入も進み始め、排出削減とともに燃料コストの抑制にもつながっています。
政府も、2030年までにCO₂排出量を2013年比で30%削減するという目標を掲げており、企業の取り組みがますます重要になっています。
遮熱塗料の導入
工場や倉庫は屋根や外壁の面積が広く、太陽光を長時間直接受けるため、建物全体が熱を吸収しやすい構造です。
特に金属製の屋根は熱を蓄えやすく、建物内の温度が上がりやすいことから、暑さ対策が欠かせません。
そんな課題に対して、屋根や外壁に塗るだけで屋内を涼しく保つ「遮熱塗料」が注目されています。
シロキコーポレーションの主力商材の1つである「遮熱塗料ミラクール」は、建物表面の温度を下げ、室温の温度上昇を抑制することで、空調負担を最大40%軽減します。
これにより、電力コストの削減効果が期待できるほか、汚れにくく効果が長持ちする点も大きな特長です。
同製品は、国連ハビタットのプロジェクトや中東のサウジアラビアやドバイ、イラクなどでも導入されており、実績も豊富です。
2025年1月、シロキコーポレーションは海外展開の一環としてベトナム現地法人「ミラクールベトナム」を設立。
既に複数の受注が決まり、多数のお問い合わせを受けるなど、順調なスタートを切っています。
今後はベトナムをはじめアジア全域や中東諸国にも展開を広げ、持続可能な暑さ対策に貢献していく予定です。
アジア・中東で工場や倉庫を展開している企業様はぜひお問合せ下さい。
まとめ
地球温暖化は世界各国で深刻な問題となっていますが、特にアジア地域では進行速度が世界平均の約2倍と速く、より一層の注視が必要です。
これは遠い未来の話ではなく、すでに大規模な被害が各地で起きている現実があります。
企業が率先して温暖化対策に取り組むことは、社会貢献となるだけでなく、コスト削減などのメリットも期待できます。
温暖化対策は一時的な対策にとどまらず、長期的な視点で計画的に進めることが重要です。
企業として気候変動対策の具体的な計画を検討し、積極的に取り組んでいくことが望まれます。
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