太陽光発電が義務化? 補助金・屋根対策・ペロブスカイト…企業が知るべき最新動向まとめ

太陽光発電が義務化? 補助金・屋根対策・ペロブスカイト…企業が知るべき最新動向まとめ

<この記事の要点>

  • 2050年カーボンニュートラルと太陽光発電の最新動向
  • 2026年度から太陽光発電導入計画の策定が義務化
  • 太陽光発電設置前に知っておきたいポイント(費用・耐用年数・補助金手続きの流れ・屋根の下準備)
  • 太陽光パネルを設置できない場合の代替策

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、日本では2026年度から太陽光発電導入計画の策定が義務化されます。
特に、工場・倉庫などの事業用建物をお持ちの企業が対象になる制度です。
初期投資や設計上の負担はあるものの、補助金活用・電力コスト削減・企業価値向上など、多くのメリットがあります。
一方で、準備が遅れると需要集中による価格高騰や施工遅延でコスト増のリスクがあり、対応スピードが企業競争力を左右するでしょう。
各自治体によって補助金制度もあるため、早めに情報を集めて計画することが大切です。
今回は、義務化をめぐる最新動向と導入検討時のポイントをご紹介します。

2050年カーボンニュートラルと太陽光発電の最新動向

2050年カーボンニュートラルと太陽光発電の最新動向

日本は2050年までに温室効果ガス排出量を実質0にする、カーボンニュートラルを実現することを宣言。国内でも脱炭素や再生可能エネルギー導入の取り組みが本格化しています。グリーン成長戦略として電力の脱炭素化、水素・合成燃料など、14ものさまざまな分野で取り組みを行われていますが、ここでは目標と太陽光発電の最新動向を解説します。

今、日本が目標とする地球規模の課題解決

日本は2050年カーボンニュートラルを目標に掲げ、中期目標として2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%削減、さらに50%を目指しています。産業界や企業の取り組み姿勢が問われる挑戦です。
日本が排出している温室効果ガスの内、CO2が約9割を占めています。
その内約4割が電力の分野になるので、太陽光発電の導入は目標達成の為に欠かせません。

出典:2050年カーボンニュートラルの実現に向けて ~太陽光発電への期待~|環境省

目標達成するために欠かせない太陽光発電の動向

太陽光発電は2021年時点で63.8GWでしたが、2030年には約103.5〜117.6GWが必要とされます。2023年度の再エネ比率は22.9%にとどまっており、さらなる加速が不可欠です。
太陽光は自給率向上に加え、蓄電池と組み合わせることで災害時の非常用電源としても活用でき、事業継続計画(BCP)の観点からも重要視されています。

出典:エネルギー基本計画について|資源エネルギー庁

2026年度より太陽光パネル義務化へ

2026年度より太陽光パネル義務化へ

日本政府は2026年度から再エネ設備導入計画の策定を義務付け、大規模事業者約12,000社が対象となる見込みです。ここでは概要や費用、耐用年数、補助金について解説します。

太陽光パネル導入目標に向けて定められた策定義務の内容

対象事業者は太陽光発電設備を含む再エネ導入計画を策定・提出する義務があります。虚偽申告には罰則があります。屋根条件によっては補強工事や軽量パネルが必要ですが、特に「ペロブスカイト型太陽電池」は、軽量で屋根への負荷が少ないため次世代技術として注目されています。

コラム:日本が世界をリード?注目の次世代技術「ペロブスカイト型太陽電池」とは

2050年のカーボンニュートラル実現を後押しする次世代技術として、日本発の「ペロブスカイト型太陽電池」が注目されています。
厚さ1マイクロメートルの極薄フィルムで、軽量・柔軟性が高く、多様な活用が可能です。
主原料のヨウ素は日本が世界2位の生産量を誇り、自国資源を活かせる強みがあります。
海外でも開発が進む中、日本が世界をリードすることへの期待が高まっています。

参考サイト:

太陽光発電設置にかかる費用と使用できる年数

設置費用は1kWあたり28〜30万円となり、3kW約85万円、5kW約143万円などが目安です。蓄電池を導入するには追加費用がかかります。
税務上の減価償却資産に計上できる法定耐用年数は9年ですが、実際の寿命はパネル25年以上、パワーコンディショナー10〜15年程度です。長期的な運用計画が重要です。

出典:太陽光発電について|資源エネルギー庁
出典:風力・太陽光発電システムの耐用年数について|国税庁

太陽光発電の補助金をもらう流れと注意点

事業用太陽光には国の直接補助はなく、各自治体制度を活用します。
東京都では中小企業が補助率3分の2(上限1億円)、その他が2分の1(上限7,500万円)。申請期間や予算枠に制限があるため、早めの対応が必要です。自治体ごとに制度の有無が異なるため確認が必要です。

手続きの流れは、補助金の事前申し込み後に、設置の契約・工事・支払いとなります。
事前申し込み前に契約したものは、補助金の対象外となってしまうので気を付けなくてはいけません。
また、最終的な補助金の審査は設置完了後となり、不備があった場合には審査に落ちてしまう可能性もあるので、正しい手続きと必要書類を確認のうえ、進めましょう。

出典:太陽光発電設備の設置に対する東京都の助成事業|太陽光ポータル|東京都環境局

太陽光パネル設置の前に屋根の下地準備を

太陽光パネル設置の前に屋根の下地準備を

太陽光パネルは省エネ効果がある一方で屋根への負担も大きく、劣化や雨漏りのリスクがあります。こうしたリスクに備えるためには、防水施工や防錆塗装による事前の下地処理が有効です。ただし、設置後は十分な施工ができないため、事前の対策が重要となります。

【関連】過去のWEBマガジン記事でも太陽光パネル普及に潜む問題点について詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

【意外な盲点!】太陽光パネル普及に潜む問題点

【意外な盲点!】太陽光パネル普及に潜む問題点

近年、再生可能エネルギーの導入が進む中、工場や倉庫に太陽光パネルを設置する企業が増えています。しかし、太陽光パネルの普及には、処分に関する問題や有害物質の流出など、多くの課題が存在します。

屋根への負担を減らすために行うべき対策

パネルの寿命は25年以上ですが、防水施工は10〜15年が一般的です。
高品質な防水施工や防錆塗装を事前に行うことで屋根の寿命を延ばし、余計な負担を減らせます。設置後に施工すると取り外し・再設置の費用が発生するため、設置前の施工が必須です。

シロキコーポレーションでは高い弾性力と、強力な密着力により地震でもはがれにくい防水層が特徴の『防水工事シームレス工法』を展開しています。高性能かつ、メーカーによる自社施工で、全面施工の場合は最長20年間の防水保証も可能なため、パネル設置前の屋根防水対策として有効な手段となります。


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屋根が太陽光パネル設置に不向きな場合の代替策(遮熱塗装・防錆塗装)

屋根が太陽光パネル設置に不向きな場合の代替策(遮熱塗装・防錆塗装)

すべての建物が太陽光パネルに適しているわけではありません。
屋根の耐荷重不足や老朽化により、太陽光パネルの設置が困難な場合があります。また、海岸地域では塩害、豪雪地帯では積雪など立地によるリスクもあり、導入前に自治体や専門業者へ相談し、適性を確認することが必要です。

しかし、太陽光パネルの設置が難しい工場や倉庫などの建物でも、屋根のメンテナンスを通じて省エネ・環境対策に取り組むことが可能です。

遮熱塗料による空調負担の軽減

屋根や外壁に遮熱塗料を塗装することによって建物内の温度上昇を抑えることができます。それにより、空調負担が減ることでCO2の排出を抑え、省エネに貢献できます。
また、防錆・防水塗装の併用で建物寿命の延長が可能です。こうしたメンテナンスは、建物保全と環境配慮を両立する企業の重要な取り組みとなります。


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太陽光発電の義務化に備えた早期準備と企業の脱炭素への貢献

太陽光発電の義務化に備えた早期準備と企業の脱炭素への貢献

2026年の義務化に備え、屋根の点検や補強など事前準備を早めに進める必要があります。メンテナンス不足のまま設置すると、後のトラブルや余計なコストにつながるため、屋根の確認や補修と並行して計画を進めることが重要です。

脱炭素の取り組みによって企業が得られること

脱炭素の取り組みは一時的な負担が伴う一方で、コスト削減・企業価値向上・環境貢献を同時に実現できる大きなメリットがあります。例えば、5kWの太陽光発電を導入すれば年間約6万円の電気代を削減でき、CO₂削減量は杉の木約140本分の吸収量に相当します。義務化を追い風に、今こそ脱炭素経営を前進させることが、持続可能な成長につながる重要な一歩となります。

<この記事のまとめ>

  • 日本は2050年カーボンニュートラルを目指し、2030年には温室効果ガス50%削減を目標としています。
  • 太陽光発電導入には初期投資が必要ですが、補助金活用・電力コスト削減・企業価値向上などのメリットがあります。
  • 太陽光パネル設置前に屋根の防水・防錆などの下地対策を行うことが重要です。
  • 屋根条件によって太陽光パネル設置が難しい場合もありますが、遮熱塗装や防錆塗装で省エネ対策が可能です。

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