スポットクーラーが効かないのは故障?工場・倉庫で見落とされがちな“屋根熱問題”と解決策

スポットクーラーが効かないのは故障?工場・倉庫で見落とされがちな“屋根熱問題”と解決策

<この記事の要点>

  • 「故障していないのにスポットクーラーが効かない」現場で起きている要因
  • スポットクーラーの性能を引き出しにくい工場・倉庫の環境条件
  • 多くの現場で見落とされがちな「屋根から入る熱」の影響
  • 既存設備を活かしたまま作業環境を改善する「遮熱」という選択肢

工場・倉庫に設置したスポットクーラーが「効かない」「効きが悪い」と感じている場合、機器の故障や能力不足といった原因だけでなく、設置環境や建物側の条件が影響しているケースが考えられます。

工場・倉庫は太陽光の影響を受けやすく、屋根から熱が入り込んだ結果、室内全体の温度や湿度が高止まりしやすい環境です。その結果、スポットクーラー自体は正常でも、期待した冷却効果が出にくくなる場合があります。

本記事では、スポットクーラーが効かない主な原因を整理し、故障以外に潜む「屋根熱」の影響と、その具体的な対策を解説します。

スポットクーラーが効かない3つの原因

スポットクーラーが効かない3つの原因

スポットクーラーの効きが悪い場合、機器のトラブルや劣化、現在の使用環境に問題が起きている場合があります。まずは、よくある3つの原因をチェックしてみましょう。

1. フィルターの目詰まりで冷風が弱くなっている

スポットクーラーのフィルターが目詰まりしていると、冷風が弱くなってしまいます。工場や倉庫では油分や粉じんが多い環境のため、一般家庭よりもフィルターが目詰まりしやすく、定期的な清掃が欠かせません。

フィルターを掃除する場合、まず機器の電源を切ってから、背面などにあるフィルターを取り出し、ホコリやゴミを掃除機で吸い込みます。

掃除機では取れない油汚れ、細かいゴミがある場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけて、優しくブラシで掃除してください。掃除が終わったら、カビや異臭の発生を予防するために、完全に乾かしてから再度取り付けて、効きに変化があるかどうかチェックしましょう。

2. 経年劣化・故障で冷却能力が落ちる

スポットクーラーの購入から年数が経っている場合、経年劣化や故障で冷却能力が落ちている恐れがあります。経年劣化の場合は、買い替えも選択肢の一つです。

冷えが悪いと感じたら、販売店での点検・修理を検討してみてください。

3. 高温多湿な工場・倉庫環境で効率が下がっている

工場・倉庫用のスポットクーラーは、一般家庭用の製品では実現できない、高い冷却能力を有しています。しかし、ハイパワーの産業用スポットクーラーであっても、工場・倉庫が高温多湿になっている場合、冷却効率が低くなってしまいます。

また、本来行われるはずの冷たい空気と熱い空気の熱交換が追い付かない場合、スポットクーラーのフィルター掃除、修理、交換だけでは改善できないケースもあります。

機器が正常でも「効かない」と感じるのはなぜ?

スポットクーラーが「効かない」「涼しくならない」と感じると、故障を疑う方も多いかもしれません。
しかし実際には、機器が正常に動作していても、設置環境の条件によって冷却効果が十分に得られないケースがあります。

工場や倉庫のスポットクーラーは、そもそも“局所冷却”を目的とした機器です。設置された場所で、室内の暑い空気を吸い込み、冷媒によって冷やした空気を送り出します。一方で、熱い空気は室内または室外へ排気される仕組みのため、冷風吹き出し口の周囲のみを冷却します。室内に排気するタイプの機器では、その空気が高湿になる可能性もあります。

一部の作業エリアでは非常に有効な働きをする機器ですが、室内全体を冷却する機能はありません。そのため、高温多湿な環境にある工場や倉庫を冷やす用途では、十分な効果が得られにくい場合があります。

このような環境では、涼しさを感じにくく、過酷な労働環境につながるおそれがあります。また、仮にスポットクーラーのほかに空調設備がある現場でも、スポットクーラーの排気によって室内の湿度が上昇し、熱中症リスクが高まる可能性があります。

見落とされがちな原因は「屋根から入る熱」

見落とされがちな原因は「屋根から入る熱」

こうした「高温多湿、または空調が効きにくい環境」は、工場や倉庫では建物そのものが熱をため込むことで起きている場合があります。
とくに見落とされがちなのが、屋根から入り込む熱です。

工場や倉庫の屋根は、金属製など熱の影響を受けやすい素材が使われている場合が多く、夏場の直射日光を受けると屋根部分に熱がこもりやすくなります。その結果、屋根から室内への輻射熱が発生し、室内へ熱が伝わります。

天井付近の広いエリアにこもった熱は、工場や倉庫内の全体の室温上昇に直結します。スポットクーラーが効かない原因が分からない場合は、工場や倉庫が熱くなっている原因が屋根熱である可能性も視野にいれてみてください。

発想を転換|冷やす前に「熱を入れない」対策へ

発想を転換|冷やす前に「熱を入れない」対策へ

スポットクーラーの冷えが悪くなっている場合、冷却機能を高めるために、台数の増設を検討する例が少なくありません。スポットクーラーは部分冷却に長けている機器のため、台数を増やせば冷やせる範囲が広がり、全体としての冷却効果を高めることができるからです。

これは比較的容易に職場環境を改善できる方法ですが、工場・倉庫向けの産業用スポットクーラーが必要になったり、導入後は光熱費が増えてしまったりする、といった課題があります。

また、屋根や天井部分に熱がこもっている場合、スポットクーラーを増やしても、根本的な解決につながらない場合がある点も踏まえて検討する必要があります。

台数を増やしてコストが膨らむ前に、まずは屋根熱への対策を優先するのが有効です。屋根からの熱が入りにくい工場・倉庫環境に整えられれば、現在の機器を生かしながら、冷却効率の向上を目指せます。

屋根熱対策の有効策【ミラクール】

屋根熱対策の有効策【ミラクール】
  

※ミラクールを実際に施工した現場の写真です

屋根熱による高温多湿状態や室内温度の上昇を抑えるなら、既存の屋根に塗るだけで対策できる「ミラクール」という選択肢があります。ミラクールは、屋根からの熱の侵入を抑え、建物内を涼しく保てる特殊な塗料です。

ミラクールの遮熱効果は、経済産業省の「適応グッドプラクティス事例集(2025 年 8 月版)」に、海外で施工されたプロジェクト事例として紹介されており、居住・学習環境改善やヒートアイランド現象の緩和に貢献したと評価されています。

小学校や公民館の屋根など、海外の多数の国でミラクールが塗装された事例が掲載されており、室温が最大 12.1℃低下したというデータがあるなど、遮熱塗料によるアプローチで居住・学習環境を改善しています。

また、海外だけでなく、日本の多くの工場や倉庫でもミラクールが採用されています。ミラクールの塗装後は、屋根の高温化を抑え、室内温度の低下が期待できます。

工場や倉庫の稼働を止めることなく施工できる点や、塗装から10年後の反射率も通常80%以上を維持できるなど、長期的な対策ができる点も大きなメリットです。

ミラクールの施工によって、屋根から入り込む熱が減少すると、スポットクーラーを増設せずとも、既存の設備で効率よく冷やせる環境を目指せます。

さらに、こうした対策は、2025年から施行された熱中症対策の強化への有効な対応策となります。それだけでなく、作業環境改善による生産性の向上や、節電を通じたCO2排出量削減など、経営面においても多角的なメリットが期待できます。

経済産業省 適応グッドプラクティス事例集
(※ミラクールの事例は89頁、NO.40に掲載されています)
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/jp_2025_tekiou_goodpractices.pdf


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最後に|スポットクーラーが効かない現場の最適解

スポットクーラーが効いていないと感じたら、まずはスポットクーラー本体の不調を疑ってみましょう。フィルターの掃除、故障や劣化が起きていないかどうかの点検を行い、劣化が進んでいる場合は買い替えの検討が必要です。

点検したけれど故障や劣化がみられない、フィルター掃除やフィルター交換をしても、スポットクーラーの効きが変わらない場合は、屋根熱の影響などで、建物側が熱による負荷を受けていないか、たしかめてみてください。

屋根が高温になり建物に熱がこもっている場合、ミラクールをはじめとする遮熱のアプローチが有効です。熱を入れない施策で、工場や倉庫の温度環境を整え、スポットクーラーが活きる施設を目指せます。

熱中症にならない職場づくりのためにも、スポットクーラーが効きにくい場合は、機器と建物の問題、両方をチェックしてみてください。「状態の良い機器×遮熱できる建物」の組み合わせが、自社工場・倉庫運用の最適解になるはずです。

<この記事のまとめ>

  • スポットクーラーは、作業エリアを局所的に冷やす機器として適切に活用することが重要である。
  • 効きが悪い場合は、まずフィルターの目詰まりや故障・劣化の有無など、機器の状態を確認する。
  • 機器に問題がない場合は、屋根からの熱など建物側の影響で室温が下がりにくい可能性がある。
  • ミラクールによる遮熱対策を行うことで、既存設備を活かしながら作業環境・省エネ・熱中症対策の改善が期待できる。

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