『遮熱舗装は効果ない』は本当? 導入前に知っておきたいポイントを解説

『遮熱舗装は効果ない』は本当? 導入前に知っておきたいポイントを解説

<この記事の要点>

  • 「遮熱舗装は効果がない」と言われる理由と、実際の仕組み
  • 遮熱舗装で期待できる4つのメリット
  • 導入に向いている場所と、導入前に知っておきたいこと
  • 施工場所や利用状況に応じた製品選びのポイント

夏場のアスファルト舗装は高温になりやすく、歩行環境や作業環境への影響が課題となるケースがあります。その対策のひとつとして注目されているのが「遮熱舗装」です。

路面温度の上昇抑制アスファルトの劣化予防などが期待できる遮熱舗装は、工場や物流施設、学校、商業施設の駐車場など、さまざまな場所で導入されています。

一方で、遮熱舗装について検索すると、稀に「効果がないのでは?」「逆効果なのでは?」といった意見を目にすることもあります。
暑さ対策として注目される遮熱舗装ですが、なぜそのように言われることがあるのでしょうか。

今回は、遮熱舗装で期待できる効果や「効果がない」と言われる理由、導入に向いているケース、検討時のポイントについて解説します。

「遮熱舗装は効果がない」と言われる理由

「遮熱舗装は効果がない」と言われる理由

インターネットで遮熱舗装について調べると、「効果がない」「逆効果ではないか」といった意見を目にすることがあります。
しかし、遮熱舗装は気温そのものを下げることを目的としたものではなく、路面温度の上昇を抑えることで暑さ対策や路面環境の改善を図る舗装技術です。
期待する効果と実際の仕組みとの違いから、「効果がない」と感じられるケースも稀にあります。
ここでは、そのように言われる主な理由について解説します。

理由1:気温そのものは下げられない

遮熱舗装を道路や駐車場に施工すると、アスファルト路面が吸収する太陽熱を軽減できます。
そのため、路面温度の上昇が抑えられ、路面から伝わる熱が軽減されることで、より過ごしやすい環境づくりにつながります。

一方で、遮熱舗装は気温そのものを下げるものではありません(※)。猛暑日や酷暑日など気温が高い日は、周囲の空気自体が人体温度を超えていることがあるため、施工前との違いを感じにくい場合があります。
その結果、「遮熱舗装を導入したのに涼しくない」「期待していたほど効果を感じられなかった」といった印象につながるケースがあります。

(※)なお、都市中のアスファルト路面に遮熱舗装を施すことにより日中の気温がわずかながら低下するという論文は過去発表されています。

理由2:体感温度と路面温度は異なる

遮熱舗装は、太陽光に含まれる赤外線を反射することで、路面温度の上昇を抑える仕組みです。

一方で、私たちが感じる体感温度は、路面温度だけで決まるものではありません。気温や湿度、風の有無、周囲の建物からの輻射熱など、さまざまな要素が影響します。

そのため、たとえば湿度が非常に高い日などでは、路面温度は低減していても、まだ暑いと感じる場合があります。

遮熱舗装の施工で期待できるメリット

遮熱舗装の施工で期待できるメリット

遮熱舗装は、施工場所や用途に応じて適切に活用することで、さまざまなメリットが期待できます。ここでは、代表的な4つのメリットをご紹介します。

1:路面温度上昇の抑制

遮熱舗装を施すと、アスファルト路面の温度上昇を抑えることができます。夏場のアスファルトは非常に高温になりますが、遮熱塗料が太陽光に含まれる赤外線を反射することで、路面温度の上昇を抑制します。
その結果、路面からの強い照り返し(輻射)が低減されるほか、足元から立ち上る熱気(対流)や靴底への熱伝達(伝導)なども抑えられ、体感温度の低下につながります。

これにより、歩行者や施設利用者、作業者の熱中症リスクを低減することができます。

2: 駐車場・構内環境の快適性向上

夏場の駐車場や工場・倉庫などの構内は、強い日差しとアスファルトの蓄熱により、敷地全体が不快な暑さに包まれやすくなります。
例えば、駐車場で車を降りた瞬間にもわっとした熱気を感じたり、屋外の荷役・作業スペースで暑さによる作業負担を感じたりすることも少なくありません。

遮熱舗装を施工すると、路面からの不快な熱気が和らぎ、歩行者や施設利用者がより快適に通行できる環境づくりにつながるとともに、現場で働く人の作業環境の改善にも役立ちます。

3:ヒートアイランド現象の緩和

遮熱舗装をしていないアスファルトは、日中に蓄えた熱を夜間まで放出し続けることがあります。このアスファルトからの放熱は、ヒートアイランド現象の一因となっており、路面の面積が広い都市部では特に大きな課題となっています。

遮熱舗装を施工すると、アスファルトに熱が蓄積しにくくなるため、夜間の路面からの放熱を抑え、ヒートアイランド現象の緩和にもつながります。

4:わだちの発生を抑制

遮熱舗装を施すと、高温によるアスファルトの軟化や変形が起こりにくくなり、わだちの発生抑制が期待できます。路面の凹みが生じにくくなるため、水たまりの発生抑制にもつながります。

また、高床式の倉庫では、トラックの後方荷台とプラットホームがフラットになるよう設計されています。熱によるわだちが発生すると段差が生じ、フォークリフトによる荷物の積み降ろしに支障をきたす場合があります。
遮熱舗装によってわだちの発生を抑制することで、荷物の積み降ろしがスムーズになり、作業効率の向上につながります。

遮熱舗装が向いている建物や環境

遮熱舗装が向いている建物や環境

遮熱舗装は既存のゴムチップ舗装への施工も可能です。広範囲にわたる路面温度の上昇抑制や作業・歩行環境の改善が期待できることから、さまざまな施設や環境で活用されています。

特に、夏場の暑さ対策や路面環境の改善を目的とする以下のような場所で導入されています。

  • 商業施設
  • テーマパーク
  • 店舗駐車場
  • 工場・倉庫・物流施設
  • 学校
  • 公園
  • 公共施設
  • 展示場
  • カーディーラー
  • 歩道
  • 車道
  • プールサイド
  • テニスコート

また、遮熱舗装では、基本的な遮熱性能だけでなく、用途や施工場所に応じた性質をもつ製品を選べます。
例えば、においの少ない製品や豊富なカラーバリエーションを備えた製品であれば、商業施設やテーマパーク、学校などでも導入しやすく、駐車場や歩道のゾーニングにも活用できます。

このように、施工場所や利用目的に応じて適切な製品を選ぶことで、遮熱効果だけでなく景観性や安全性にも配慮できるため、多様な施設や環境に導入されています。

遮熱舗装を導入する前に確認しておきたいポイント

遮熱舗装を導入する前に確認しておきたいポイント

遮熱舗装は、施工場所や利用状況に合わせて適切な製品を選ぶことで、長期間効果を持続しやすくなります。
導入後に「思っていた効果が長期間得られなかった」とならないためにも、事前に確認しておきたいポイントをご紹介します。

ポイント1:車両の通行量

施工に適した路面であれば、車両通行量などに応じて妥当な耐久性や強度をもつ塗料を選択する必要があります。

実際の通行量に対して耐久性や強度が不足している製品を選んでしまうと、塗膜が早く削れてしまい、遮熱効果の持続期間が短くなる原因となります。そのため、施工予定箇所の日常的な車両通行量をあらかじめ把握しておくことが欠かせません。

ポイント2:路面の材質

遮熱舗装は、主にアスファルト舗装を対象とした製品です。

コンクリート舗装にも施工自体は可能ですが、もともと熱を持ちにくい素材のため、十分な遮熱効果が得られず、費用対効果の面からおすすめしていません。
また、「半たわみ舗装」と呼ばれる硬軟相を持つ舗装にも適していません。

施工前には、対象となる路面の材質を確認しておくことが重要です。

ポイント3:除雪車の運行があるかどうか

冬季に除雪車が運行する路面では、除雪作業時にショベルやブレードなどが接触し、塗装が剥がれる可能性があります。

そのため、毎年塗り直しが必要となる場合があり、ランニングコストが高くなることから、施工をおすすめしていません。

ポイント4:既存舗装の状態と施工時の注意点

古くなったアスファルト舗装車の通行が多い路面トラックの進入が多い路面では、そのままの表面の状態では遮熱舗装を施工できない場合があり、事前に舗装面を機械で研磨する必要があります。

この研磨作業では短時間ではありますが大きな騒音が発生するため、施工前に近隣住民の方へ周知・ご理解をいただくことが大切です。

荷重や環境に合った遮熱舗装の選び方

遮熱舗装用の製品は、いずれも高い遮熱性能を備えています。製品ごとの違いは、車両通行量や荷重、施工環境に応じた耐久性・強度などの性能にあります。したがって、遮熱舗装は、施工場所や利用状況に応じて適切な製品を選ぶことで、その遮熱性能を長期間維持しやすくなります。

例えば、車両通行量や路面の状態、「歩行者中心か車両中心か」といった利用環境に加え、においへの配慮や景観性、カラーによるゾーニングの必要性なども、製品選びのポイントになります。

こうしたさまざまなニーズに対応できる製品の一つが、シロキコーポレーションの「ミラクールロード」です。
ミラクールロードは、特許を取得している唯一の遮熱性塗装工法です。(平成14年出願・令和4年2月現在 特許番号第4401171号「太陽熱遮断舗装体」)

  • 夏場の暑さ対策を行いたい
  • 構内の作業環境を改善したい
  • ヒートアイランド対策に取り組みたい
  • わだちの発生を抑制したい
  • カラー舗装によるゾーニングを行いたい
  • 低臭タイプの遮熱舗装を検討している
  • 自社施工可能な遮熱舗装を探している

など、幅広いお悩みやご要望にお応えしています。

商品の特長や施工方法、施工事例については、以下のページで詳しくご紹介しています。
導入を検討される際の参考として、ぜひご覧ください。

構内歩道・駐車場が涼しく変身!ミラクールロードW

遮熱舗装を検討するなら目的に合った製品選びを

「遮熱舗装は効果がない」と誤認されることもありますが、遮熱舗装は路面温度の上昇を抑えることを目的とした工法です。
実際に、施工前後のサーモグラフィ比較では、路面温度の違いが確認されています。

遮熱舗装施工前後のサーモグラフィ比較

一方で、あまりにも高温または高湿度の日や周辺環境などの条件によっては、まだ暑いと感じる場合もあります。

遮熱舗装の導入をご検討の際は、施工実績や製品の特長、立地条件も参考にしながら、自社の目的に合った検討をしましょう。

<この記事のまとめ>

  • 遮熱舗装は、気温ではなく路面温度の上昇を抑えることで、暑さ対策や路面環境の改善を図る工法である。
  • 「効果がない」と言われる背景には、気温や体感温度との違いによる誤解がある。
  • 遮熱舗装の効果を十分に発揮するためには、施工場所や路面の状態などを事前に確認することが重要である。
  • 施工場所や利用状況に応じた製品選びが長期的な遮熱性能の維持につながる。

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