最近の台風は大型化・強力化している? 建物への影響と台風シーズン前の備えを解説

最近の台風は大型化・強力化している? 建物への影響と台風シーズン前の備えを解説

<この記事の要点>

  • 「大型化」と「強力化」から読み解く、最近の台風の実態
  • 地球温暖化によって懸念される、将来の台風の強力化
  • 工場・倉庫を襲う、雨漏り・浸水・設備トラブルのリスク
  • 台風シーズン前に押さえておきたい、建物の点検ポイント
  • 台風被害に長期的に備える、屋根・屋上の防水対策

新聞やニュースなどで「最近の台風が大型化・強力化している」という情報を見かけることがあります。

「台風の被害が大きくなっているように感じる」という声が聞かれる一方で、「本当に大型化・強力化しているのか」「今どのような対策が必要なのか」といった疑問を持っている方もいると思います。

工場や倉庫では、台風による屋根・外壁の損傷や雨漏り、設備への被害が、操業停止など事業活動への影響につながるケースもあり、被害が出る前の備えが重要です。

今回は、最近の台風に関する気になる疑問を紐解きながら、工場・倉庫などの建物への影響や、本格的な台風シーズンを迎える前に確認しておきたい備えについて解説します。

最近の台風は本当に大型化・強力化しているのか

最近の台風は本当に大型化・強力化しているのか

「台風が以前よりも大型化・強力化している」という話を耳にすることがあります。

台風の大きさと強さは異なる定義であり、台風の「大きさ」は風速15m/s以上の強風域の半径、「強さ」は最大風速を基準に区分されています。台風が大型化すると、強風の影響を受ける範囲が広がるため、より広い地域で被害が発生する恐れがあります。

気象庁:台風の大きさと強さ
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-3.html

最近の台風の強風域の半径をみてみると、統計上、台風の「大きさ」が一律に大きくなっているとは断定できません。

一方、「強さ」については、強い熱帯低気圧の増加を示す研究結果があります。気象庁が発表している資料では、北西太平洋において1980年代半ば以降、猛烈な台風に相当する強い熱帯低気圧の発生数は増加していると報告されています。ただし、その傾向については確信度が中程度とされ、十分な評価はできていないとされています。

また、「日本付近の台風は、強度が最大となる緯度が北に移動している」という報告もあります。

日本に接近する台風の多くは、日本より南の暖かい海上で発生・発達し、最盛期を迎えた後、北上するにつれて徐々に勢力を弱めていきます。

しかし、台風がもっとも強くなる位置が北へ移動すると、従来よりも日本に近い場所で最盛期を迎えたり、強い勢力を保ったまま日本付近に接近したりする可能性があります。そのため、日本付近でも強い台風による強風などの影響に、より注意が必要です。

気象庁:7.熱帯低気圧(台風など)
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ccj/2025/html_honpen/cc2025_honpen_7.html

台風が強力化していると言われる理由

台風が強力化していると言われる理由

将来的には日本付近の台風の強度が強まり、台風に伴う降水量が増加する、という予測もあります。その背景の一つとして考えられているのが、地球温暖化に伴う海面水温の上昇です。

環境省が2023年に発表した資料によると、将来的に「地球温暖化が進行している状態で台風が襲来した場合、より発達した状態で上陸する可能性がある」と予測されています。

つまり、地球温暖化が進み、海面水温が上昇すると、海から供給される熱・水蒸気が増え、台風がより発達しやすくなり、中心気圧が低下して最大風速が強まる可能性があるということです。

また同時に、気温や海面水温が高い環境では大気中に含まれる水蒸気量も増えるため、台風に伴って供給される水蒸気が増え、降水量が増加する可能性があります。

これらの要因により、地球温暖化によって台風の「風害」「沿岸・河川の河口付近の高潮による浸水」「河川氾濫」などのリスクが高まる可能性が指摘されています。

そして、今後さらに地球温暖化が進んだ場合には、台風の「大きさ」そのものが変わらなくても、より強い風や大雨などの影響を受ける可能性があると考えられます。

環境省:気候変動による災害激甚化に関する影響評価結果について~地球温暖化が進行した将来の台風の姿~
https://www.env.go.jp/press/press_01913.html

台風によって懸念される建物へのリスク

台風によって懸念される建物へのリスク

将来的に日本付近で台風の強度が強まったり、台風に伴う降水量が増えたりすることが予測されており、これまで以上に建物への備えが重要です。

国土交通省でも、令和元年に発生した房総半島台風によって、多くの建物被害が出たことから、強風対策の方向性についての調査を実施しています。

国土交通省:令和元年房総半島台風を踏まえた建築物の強風対策に関する検討会(耐風TG)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000142.html

過去の台風では、このような建物への被害が報告されています。

① 屋上・屋根からの雨漏り・浸水

台風が襲来すると、屋上や屋根は暴風や大量の雨水にさらされます。屋上や屋根の防水層に劣化やひび割れなどがある場合、雨漏りや建物内への浸水につながります。

② 排水不良による浸水

防水対策がされていても、排水に問題がある場合、屋上や屋根に雨が溜まってしまい、浸水などの被害がでる恐れがあります。ドレンや排水管などが劣化していたり、台風によって破損したりすると、雨水を十分に排水できず、浸水などのトラブルにつながる可能性があります。

③ 暴風による外壁・屋根材の損傷

台風による暴風にさらされると、外壁や屋根などがダメージを受けます。建物が古くなっている場合、「屋根材や瓦が飛散してしまった」「外壁のひび割れから雨水が侵入してきた」といった被害につながる可能性があります。

④ 電気設備・機械設備への影響

台風の雨風によって、建物の電気設備、機械設備が被害を受けた場合、停電や機械の故障といったトラブルが起きる恐れがあります。「停電によってエレベーターが使えなくなってしまった」「給水設備が停電によって使えず、水の確保が困難になった」といった影響が考えられます。

⑤ 企業活動の停止

建物の浸水や停電、機械や設備への影響が深刻な場合、企業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。工場などでは、機械を動かせなくなって生産活動が停止するなど、大きな損害につながるケースも考えられます。

台風シーズン前に確認したいポイント

地球温暖化による気候変動が深刻な問題になっている現在、台風による甚大な被害への備えが求められます。本格的なシーズンを迎える前に、どのような部分をチェックしておくべきなのか、ポイントをみてみましょう。

① 屋上・屋根

屋上や屋根の防水に問題がないかどうか、ひび割れや破損している部分がないか、事前にたしかめておくと、台風による浸水などの予防につながります。前回の防水工事から年数が経っている場合は、専門業者による点検を受けておくと安心です。劣化が進んでいる場合は、状況に応じた補修や改修を実施しておきましょう。

② ルーフドレン・排水管

ルーフドレンや排水管に詰まりや破損がある場合、屋上や屋根に水が溜まったり、室内に水が入り込んだりする恐れがあります。雨水をきちんと排水できる状態かどうか、定期的にチェックする体制を整えておくと、万が一に備えられます。

③ 外壁・屋根材

外壁や屋根材が劣化していると、台風による雨風でさらにダメージが広がり、雨漏りや浸水といった事態を招く場合があります。今後台風による強風や大雨の影響が強まる可能性も考慮し、定期的な点検、必要に応じた外壁・屋根塗装、防水対策が重要です。

④ 電気設備・機械設備

台風が襲来したときに、電気設備や機械設備のある部分が雨漏りしないかどうか、雨漏りや浸水した場合の対策ができているかどうか、という点もチェックすべきポイントです。本格的な台風シーズンが到来する前に、設備のメンテナンスや対策を済ませて、被害に備えておきましょう。

⑤ 被災時の点検・復旧体制の確認

入念に対策をしていても、予期せぬ部分から雨漏りしたり、停電や設備の不具合が起きたり、といった可能性が考えられます。「台風が来た場合に、どこを点検するのか」「被害が起きている場合は、どこに相談すれば良いのか」といった点を確認しておくと、速やかな復旧につながります。

長期的な備えとしての防水対策

長期的な備えとしての防水対策

※老朽化した屋根にリリーフ工法(間接工法)を施工した現場の写真です

将来的に日本付近で台風の強度が強まることや、台風に伴う降水量が増えることが予測されるなか、長期的な備えとして防水対策を実施しておくと、雨漏りや浸水などの被害を抑えることにつながります。

台風が接近してから対策を講じるのではなく、建物の状態に応じた長期的な対策を検討し、万が一の被害に備えておくと安心です。

工場や倉庫、学校、商業施設など、多くの人が働いたり出入りしたりする施設では、より一層の安全対策が求められます。

このような大型の建物で台風対策を検討する際は、屋上防水や排水不良による浸水、強風による建物被害、設備トラブルの防止につながる対策が重要です。

屋根・屋上からの雨漏りや浸水、屋根の劣化などに長期的に備えるなら、「シームレス工法」「リリーフ工法」がおすすめです。

「シームレス工法」は、建物の屋上などに、防水性のある塗膜を形成する方法です。塗膜によって継ぎ目のない防水層を形成できることが特徴です。屋根や屋上に劣化や雨漏りが起きている場合は、修繕をしながら同時に防水対策を実施できます。

「リリーフ工法」は二重屋根、カバー工法とも呼ばれる方法で、劣化がみられる屋根部分へ、新しい屋根を重ね、雨漏りや浸水から建物を守ります。既存の屋根を撤去せずに作業を進められるため、条件によっては建物を稼働させながらでも工事可能です。
また、リリーフ工法は、横風に強いという特徴があります。リリーフ工法で採用しているラジアル納めは、一般的な平棟納めと比較して横風の抵抗を受けにくく、雨風に強い構造のため、台風や強風への備えとしても適しています。


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台風への備えはシロキコーポレーションへご相談ください

私たちシロキコーポレーションは、台風による雨漏りや浸水対策につながる「シームレス工法」「リリーフ工法」の施工を行っております。

将来的に日本付近で強度が強まることが予測されている台風に備えるためにも、屋根や屋上への長期的な対策をぜひご検討ください。

台風対策は、現在の建物の状態によって、適した工法が変わります。どの対策を選べば良いのかなど、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。建物の状態に応じた方法をご提案いたします。

早めの対策で、台風による建物被害、停電、工場や倉庫の稼働停止といった被害に備えておきましょう。

<この記事のまとめ>

  • 台風の「大型化」と「強力化」は異なり、近年の台風が一律に大型化しているとは断定できない。
  • 地球温暖化により将来は日本付近で台風の強度や降水量が増すと予測されている。
  • 工場・倉庫では、台風による建物・設備の被害が事業活動に影響する可能性がある。
  • 台風被害を抑えるには、シーズン前の建物の点検・メンテナンスが重要である。
  • 屋根・屋上の長期的な備えには、「シームレス工法」や「リリーフ工法」などの防水・改修工事も選択肢となる。

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