工場・倉庫の暑さが原因に!作業効率の低下や熱中症を防ぐ解決策
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本格的な暑さを迎える前に、工場や倉庫の暑さ対策をしておきたいと考えている建物管理者も多いのではないでしょうか。
室内が暑くなると製品の劣化などが起こるうえ、従業員の作業効率の低下や熱中症などの体調不良にもつながります。
工場や倉庫においては、室内温度の上昇に直接影響を与える建物の構造や空調設備の状態を把握し、暑さ対策を考えることが望ましいといえるでしょう。
本記事では、暑さによる作業効率低下の原因から解決策まで分かりやすく説明します。
工場や倉庫では熱中症が発生しやすい
暑い時期に懸念されるのが、従業員の熱中症です。総務省が令和5年10月に報道関係者向けに発表した情報によりますと、令和5年5月から9月の間に仕事場で熱中症を発症し救急搬送された人は、11,337人。うち工場や建設現場で発症した人は、9,324人であったということです。
参照:令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況|総務省
この数字には屋外での作業中に熱中症にかかった人も含まれていますが、工場や倉庫などの広い施設では、室内温度が上昇しやすい傾向にあると考えられます。
熱中症は命に関わることであるため、本格的な暑さに備えて対策を講じるのが賢明でしょう。たとえ熱中症にならなかったとしても、暑さは従業員の健康に悪影響を与え作業効率の低下を引き起こします。
暑さは従業員の作業効率の低下を招く
人が快適に行動できる温度は、夏場では25~28度といわれています。
それ以上の暑さになると、作業効率が低下する可能性が指摘されていますが、なぜ室内の暑さが作業効率の低下につながるのでしょうか。
主な理由を以下にご紹介します。
集中力が低下する
暑さと人の意識には関係があり、暑さによって体内温度が上昇すると、意識がもうろうとしてきます。そうすると、集中力が低下し例えば通常なら10個できることが、5個に減ったり、普段間違えないようなミスをしてしまったりします。
集中力の低下は、作業効率の低下だけでなく危険意識の欠如にもつながるため注意が必要です。
疲労が増加する
暑い中で長時間過ごした後に「ひどく疲れたな」というふうに疲労感を覚えたことはないでしょうか。「夏バテ」という言葉があるように、暑さは疲労感や無気力、食欲不振などの症状を引き起こします。勤務中にこうした症状が出ると、作業のペースが遅くなり作業効率の低下につながります。
大型施設内の気温が上昇する主な要因
工場や倉庫などの大型施設内の気温が上昇するのは、なぜでしょうか。
その主な要因として、
・建物の構造
・建物の素材
・空調環境
の3点が挙げられます。
各要因について、詳しく見てみましょう。
建物の構造上室内温度が上昇しやすい
工場や倉庫の建物には、通常の建物(住宅や店舗など)よりも面積が広く、床から天井までが高いという特徴があります。このような構造の建物は、冷却するまでに時間がかかるうえ、作業員一人ひとりに冷風を送ることが難しく、室内の温度が上昇します。
その結果、建物内で働く人たちは体内温度が上がり熱中症のリスクにさらされてしまうのです。
建物に熱を取り込みやすい建材が使用されている
壁や床にコンクリートを使用している工場や倉庫も少なくありませんが、これが温度の上昇につながる原因の一つといわれています。
これは、コンクリートは熱を蓄えやすくかつ熱伝導率が高い建材であるというのが理由です。コンクリートの床や壁にたまった熱は室内に流れやすく、その熱で室内温度が上昇します。
太陽光を直接受けている屋根も、室内温度の上昇に影響を与えます。
工場や倉庫の屋根によく用いられている鉄は、コンクリートと同じく熱伝導率の高い建材です。直射日光に長時間さらされると高温になりその熱は室内へと流れていきます。
太陽光によって屋根に発生した熱のことを輻射熱(放射熱)といいますが、輻射熱は太陽が照りつけている間発生し続けるため、室内温度は上昇し冷房効果も半減してしまいます。
空調の効きが悪い
工場のような大きな施設は、ドアや換気扇の数が少なく熱がこもる空間を作りやすいといわれています。
また、作業に必要な機械や装置も稼働時に熱を発しますので、機械が置いてある場所は集中的に温度が上昇するでしょう。搬入作業をスムーズにするため、換気も兼ねて搬入出口を開けたままにしておくというところもあります。
換気場所の少なさや空間的な温度むらといった条件が重なることによって空調管理が難しく、結果的に暑さに耐えながら作業をするという状況が生まれてしまうのです。
工場や倉庫におすすめの暑さ対策3つ
工場や倉庫の暑さをやわらげる方法として以下の3つをご紹介します。
①スポットエアコンの導入
②遮熱塗料の使用
③吸排気フードの設置
スポットエアコンの導入
スポットエアコンとは、特定の場所を集中して冷却する機械のことです。
先ほども述べましたが、工場や倉庫のような大きな施設では室内全体を冷却するのは効率が悪いうえ、場所によって温度差が生じがちです。
スポットエアコンには、機械の排熱処理をしないと冷却効果が半減するなどのデメリットはありますが、導入することによって温度を下げたい場所や個人をスピーディーに冷却できるでしょう。キャスター付きのスポットエアコンであれば、気軽に移動させられるためより便利です。
スポットエアコンのメリットデメリットについては別記事で詳しく紹介しています。
ご興味のある方はぜひご一読ください。
スポットエアコンのメリット・デメリット。地中熱スポットエアコンという新しい選択肢
工場や倉庫などの大きな施設の空調にはいくつかの方法がありますが、スポットエアコンもその一つです。スポットエアコンは、コンパクトで移動させやすくかつ局所的な暑さ対策ができる特徴を持っています。
遮熱塗料の使用
遮熱塗料とは、太陽光を反射して物質の温度上昇を抑える効果のある塗料のことです。
屋根に塗布することによって屋根からの熱の侵入を防ぎ、室温の上昇を防ぐことが期待できます。
遮熱塗料を選ぶ際には、日射反射率が高く汚れが不着しにくいものを選択すると、より効果を実感できるでしょう。
吸排気フードの設置
吸排気フードとは、室内に侵入した輻射熱を吸い込み外部に排出する機械のことです。キッチンの換気扇というとイメージしやすいでしょう。
稼働時の音や設置コストが気になるかもしれませんが、吸排気フードを設置することによって室内全体の温度上昇を抑えられる他、湯気など作業の妨げとなるものも除去できるなど、作業の効率化を促すメリットも得られます。
工場や倉庫の暑さ対策のお手伝いをします!
弊社では、暑さ対策として遮熱塗料「ミラクール」とスポットエアコン「アースクール」を展開しています。
<遮熱塗料ミラクール>
ミラクールは、工場や倉庫などの室温の上昇を防ぐために開発された遮熱塗料で、屋根に照りつける日差しに対して日射反射率92%を記録。また、親水性により汚れが不着しにくく、遮熱性能を10年間キープし、持続性でも高いパフォーマンスを発揮しています。
まとめ
工場や倉庫の暑さ対策の必要性と解決策についてご紹介しました。
工場や倉庫に限らず強い日差しによって室内の温度は上昇しますが、工場や倉庫には、建物の構造や建物に使用している建材、そして空調環境において温度が上昇しやすい条件がそろっています。
暑さは人の体に悪影響をおよぼし、その結果作業効率の低下を招きます。従業員が安全に効率良く施設内で作業を行うには、暑さ対策は必須といえるでしょう。
本記事では、暑さ対策として「スポットエアコンの導入」「遮熱塗料の使用」「吸排気フードの設置」と3つの方法をご紹介しましたが、できる対策から取り組んでみてはいかがでしょうか。
暑さが厳しくなる前に、従業員が快適に作業できる環境を整えて、熱中症と作業効率の低下を防ぎましょう。
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