工場・倉庫の改修工事費用が高騰する現状|理由と先延ばしのリスクを解説
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<この記事の要点>
- 資材価格・建設物価・人件費高騰による工場・倉庫改修工事費用の上昇
- 一時的な値上げではなく、建設業界全体の構造変化による長期的な価格上昇傾向
- 改修工事の先延ばしによる劣化進行・工事費増大・緊急工事リスク
- 現状把握と早期検討による将来的なコストリスク回避の重要性
工場や倉庫の改修工事費用は、ここ数年で大きく上昇しています。
改修を検討する際には、なぜ費用が高騰しているのか、また工事を先延ばしにした場合にどのようなリスクがあるのかを理解しておくことが重要です。
本記事では、工場・倉庫の改修工事費用が高騰している背景と、その状況下で早期に検討することの重要性について解説します。
なぜ改修工事の価格が上がっているのか

工場や倉庫の改修工事では、屋根・外壁・断熱・防水といった工事全般で見積金額の上昇が続いています。
これは一部の工事や地域に限った動きではなく、建設業界全体に共通する傾向です。
建築物価調査会が公表した資料によると、2025年12月時点で、工事原価や直接工事費は全国的に前年同月比プラスとなっており、工事費の上昇が継続していることが分かります。
札幌や福岡など一部地域では特に上昇幅が大きく、全国10都市すべてで右肩上がりの推移を示しています。
建築物価調査会/2025年12月建築物価 土木工事費指数®(速報)
https://www.kensetu-bukka.or.jp/wp-content/themes/custom/pdf/newsrelease/20260113000001.pdf
資材価格・建設物価の上昇が工事費に与える影響
改修工事費用の上昇には、建設資材価格や建設物価の高騰が大きく影響しています。
建築物価調査会が公表した建築費指数データによると、集合住宅、事務所、工場、住宅のいずれにおいても価格は上昇傾向にあり、建設費全体が高止まりしている状況が続いています。
こうした建設費全体の上昇を背景に、工事現場で使用される各種資材の価格も軒並み上昇しています。
とくに、コンクリートブロック類の製造コスト増加や、世界的な銅価格の上昇に伴う原材料費の増加、電線・ケーブル価格の高騰などが、工事費を押し上げる要因となっていると分析されています。
加えて、工場や倉庫の改修で多く使用される鋼材の価格上昇も無視できません。
さらに、円安や世界的な原材料不足といった外部要因も重なり、こうした資材価格の上昇は一時的なものではなく、業界全体における構造的なコスト増として定着しつつあります。
コラム:データで見る建設物価・資材価格の上昇
建築物価調査会が公表した2025年の建築費指数データによると、建設総合・建築部門・建築補修分野では13ヶ月連続で指数が上昇し、土木部門では67ヶ月連続で指数が上昇するなど、いずれも最高値を更新しています。
また、日本建設業連合会の資料によると、工場や倉庫の改修で多く使用される鋼材のうち、異形棒鋼は2021年1月比で約54%、H型鋼は約42%上昇しており、ここ数年で1.5倍以上の価格となっている資材も少なくありません。
こうした数値からも、建設資材や建設物価の上昇が一時的なものではなく、中長期的に工事費へ影響を与え続けている状況がうかがえます。
<出典資料>
建築物価調査会/建設物価 建築費指数® 2025年12月分の指数データ
https://www.kensetu-bukka.or.jp/wp-content/themes/custom/pdf/newsrelease/20260113000002.pdf
建築物価調査会/建設物価 建設資材物価指数® 2025年12月分【速報】
https://www.kensetu-bukka.or.jp/wp-content/themes/custom/pdf/newsrelease/20260106000001.pdf
日本建設業連合会/建設工事の資材価格高騰(2025年12月版)
https://www.nikkenren.com/sougou/notice/pdf/jfcc_pamphlet_2512.pdf
人件費・施工コストが構造的に上昇している理由

改修工事費用の高騰には、人件費や施工コストの上昇も大きく影響しています。
建設業界では慢性的な人手不足が続いており、就業者数は長期的に減少傾向にあります。
国土交通省の資料によると、令和6年平均の建設業就業者数は約477万人で、ピーク時である平成9年平均と比べて約30%減少しています。
一方で、工場や倉庫を含む建設需要そのものは大きく減少しておらず、限られた人員で工事を行わざるを得ない状況が続いています。
また、建設技能者の高齢化も、人件費が下がりにくい要因のひとつです。
60歳以上の技能者が全体の25.8%を占める一方、29歳以下は約12%にとどまっており、今後も担い手不足が続く可能性が高いとされています。
さらに、働き方改革により長時間労働の上限規制が始まったことで、従来と同じ工期を確保するためにより多くの人員が必要となるケースも増えています。
その結果、工期の長期化や、機材のレンタル費用・警備費用といった付随コストの増加につながっています。
こうした状況を背景に、労働力確保を目的とした労務単価の見直しが続いており、公共工事設計労務単価は平成25年度以降、上昇傾向が継続しています。
このように、人手不足・高齢化・制度対応が重なった結果、人件費や施工コストは構造的に下がりにくい状況となっています。
国土交通省/最近の建設産業行政について
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001566406.pdf
国土交通省白書2025/担い手不足等によるサービスの供給制約
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r06/hakusho/r07/html/n1110000.html
なぜ改修工事費は「一時的な高騰」ではないのか
工場・倉庫の改修工事費用が高騰している背景には、資材価格、人件費、物流・エネルギーコストといった複数の要因が重なっています。
これらはいずれも短期間で解消される見通しが立ちにくく、建設業界全体の構造的な変化によるものといえます。
そのため、改修工事費用は一時的に高騰しているのではなく、今後も高水準で推移する可能性が高いと考えられます。
改修工事の先延ばしで考えられる3つのリスク

改修費用の問題を理由に工場や倉庫の工事を先延ばしした場合、建物や職場環境におけるリスクを負う恐れがあります。工事への着手を遅らせた場合に考えられる、3つのリスクを解説いたします。
① 劣化進行による工事範囲・費用の拡大
今するべき改修工事を先延ばしにすると、工場や倉庫の劣化が進行します。その結果、改修工事の範囲が広がってしまい、予算がさらに大きくなってしまう可能性があります。
② 雨漏りや断熱性能低下による作業環境・光熱費への影響
改修工事を遅らせた結果、雨漏りや断熱性能の低下、といった不具合が起きる場合があります。雨漏りによる作業環境の劣悪化で従業員の不満が募る、断熱性能が下がった結果光熱費が上昇する、といった事態に陥る恐れがあります。
③ 突然のトラブルで緊急工事が必要になる可能性
「もう少し後でも大丈夫だろう」と改修箇所を放置してしまったのが原因で、予期せぬトラブルに見舞われる可能性がゼロではありません。緊急工事が必要になると、改修工事に加え、緊急工事で費用が増える場合があり、注意が必要です。
改修の早期検討・相談による【選択肢拡大のメリット】

改修工事の相談は、必ずしも「すぐに工事を決める」ためのものではありません。
現状を把握し、将来に向けた優先順位や概算費用を知ることも、大切な準備のひとつです。
早めに現状を把握しておけば、「今すぐ必要な工事」「数年後に検討すべき工事」といった整理ができ、計画的な改修が可能になります。
また、現在の改修費用を把握しておくことで、将来的な価格上昇を見据えた予算検討ができる点もメリットです。
不具合が顕在化する前に、専門家へ相談しておくことで、安心して判断を進められます。
工場・倉庫の改修工事はシロキコーポレーションにご相談ください
工場・倉庫の改修工事を検討したい、将来に向けて見積もりを取っておきたいとお考えの際は、ぜひシロキコーポレーションへご相談ください。
これまで、工場・倉庫の屋根や外壁、断熱・防水改修など、数多くの改修工事に対応してきました。
シロキコーポレーションでは、お客様との長期的な関係を大切にし、すぐに工事を勧めるのではなく、現状の確認や価格動向のご説明など、判断材料の提供を重視しています。
現時点で改修が必要かどうか、今後の費用上昇の可能性、改修を行う適切なタイミングについても、お客様の立場に立ってご提案いたします。
大切な工場・倉庫を最適な時期に改修するために、まずは無料相談・お見積もりで費用感や必要性を確認してみてください。
<この記事のまとめ>
- 改修工事費用は、資材価格・建設物価・人件費の上昇を背景に高騰が続いている
- 改修工事費上昇は一時的ではなく、業界構造の変化として今後も続く可能性がある
- 改修の先延ばしは、劣化進行や緊急工事化によるコスト増大リスクを高める
- 早期の情報収集と計画的な改修検討が、将来的なコストリスクの回避につながる





