2026年は非常に強いエルニーニョ現象が起きる!? ラニーニャ現象との違いや日本への影響を解説

2026年は非常に強いエルニーニョ現象が起きる!? ラニーニャ現象との違いや日本への影響を解説

<この記事の要点>

  • 2026年に予測されるエルニーニョ現象と猛暑の最新情報
  • エルニーニョ現象とラニーニャ現象の違いと日本の気候に与える影響
  • 猛暑・豪雨・台風などの異常気象に備えるためのポイント
  • 家庭や企業・工場・倉庫で取り組みたい暑さ対策

夏が近づくと、さまざまなメディアで猛暑や台風など、気候の変化に関連するニュースを目にします。その中でも2026年は「非常に強いエルニーニョ現象(一部ではスーパーエルニーニョと呼ばれることがある現象)が起きるのでは?」という話が多く聞かれます。

今回は、エルニーニョ現象・ラニーニャ現象とはどのような気候現象なのか、またその違いや日本への影響、備えておきたい対策について詳しく解説いたします。

エルニーニョ現象とラニーニャ現象の違い

地球の気候に影響を与えるエルニーニョ現象ラニーニャ現象は、どちらも赤道付近の太平洋の海面水温や貿易風の変化に関係する気候現象ですが、地域によって気温や降水量などに与える影響には違いがあります。どのような仕組みで、どのような変化が起きるのか、それぞれの違いをみてみましょう。

エルニーニョ現象とは

エルニーニョ現象とは

太平洋の海水は、北赤道海流や黒潮、北太平洋海流、カリフォルニア海流の力によって、時計回りに循環しています。

このうち、赤道付近を西向きに流れる北赤道海流は、貿易風と呼ばれる東風の影響を受けています。通常、赤道付近では貿易風によって暖かい海水が太平洋の西側へ運ばれます。

しかし、何らかのきっかけで貿易風が弱まると、本来であれば西側へ運ばれるはずだった暖かい海水が、南米のペルー沖付近まで広がります。これが「エルニーニョ現象」です。

赤道付近で起きる現象ではありますが、海面水温の変化は大気の流れや高気圧の張り出し方にも影響を与えます。そのため、赤道から離れた日本の気候にも影響が及ぶことがあります。

エルニーニョ現象が起きると、太平洋の中部から東部(南米側)にかけての海水温が高くなり、上昇気流によって巨大な積乱雲が発生しやすくなり、台風の発生や進路にも影響を与えることがあります。一方で、太平洋西部では、海水が冷たいまま保たれるため、雨が少なく穏やかで過ごしやすい気候になったり、干ばつなどのリスクが高まったりする場合があります。

ラニーニャ現象とは

ラニーニャ現象とは

「ラニーニャ現象」は、エルニーニョ現象とは反対に、赤道付近の貿易風が何らかのきっかけで強まることで起こります。

貿易風が強まると、暖かい海水が普段以上に太平洋の西側へ運ばれます。その結果、太平洋の西側の海水温が平年より高くなり、巨大な積乱雲や台風が多く発生しやすくなります。

それに対し、南米側の海水は冷たいまま保たれるため、降水量が少なくなり、干ばつや雨不足が起きる場合があります。

エルニーニョ・ラニーニャ現象は日本の気候にどう影響するのか?

エルニーニョ現象やラニーニャ現象が私たちの生活に影響を与えるのは、夏場や台風シーズンだけではありません。夏と冬、それぞれどのような影響が考えられるのか、日本で備えるべき災害やリスクについて解説いたします。

日本の夏とエルニーニョ・ラニーニャ現象

日本の夏とエルニーニョ・ラニーニャ現象

エルニーニョ現象が起きると、日本に暑さをもたらす南の「太平洋高気圧」の勢力が弱くなります。太平洋高気圧が弱くなると、北にある冷たいオホーツク海高気圧の影響を受けやすくなり、涼しい風が日本へ流れ込みやすくなるため、平年よりも気温が低い冷夏傾向になります。

また、太平洋高気圧の勢力が弱まると、梅雨前線を北へ押し上げる力も弱くなります。その結果、梅雨前線が停滞しやすくなり、長雨・豪雨の発生、それに伴う土砂災害や農作物被害のリスクが高まります。

一方で、ラニーニャ現象が起きると、オホーツク海高気圧の力が弱まり、暖かい太平洋高気圧が日本全体を広く覆います。そのため、日本では気温が高くなりやすく、さらに強い日差しが照りつける晴れの日が続き、災害級の猛暑や酷暑になる可能性があるため、暑さ対策が欠かせません。

また、猛暑だけでなく、高気圧周辺の湿った空気による豪雨や台風の接近、短時間の激しい大雨による土砂災害、猛暑や干ばつによる農作物被害への対策も必要です。

日本の冬とエルニーニョ・ラニーニャ現象

日本の冬とエルニーニョ・ラニーニャ現象

エルニーニョ現象が起きると、「冬型の気圧配置(西高東低)」が弱まり、日本へ寒気を送り込むシベリア高気圧の勢力が弱くなります。冷たい寒気が日本に届きにくくなるため、雪が少なく暖冬の傾向になります。過ごしやすい一方で、スキー場の雪不足問題や水資源への影響などが懸念されます。

反対に、ラニーニャ現象が起きている場合は、シベリア高気圧の勢力が強くなり、強い寒気が日本に流れ込みます。全国的に気温が低くなり、日本海側では積雪量が増えるため、寒波や豪雪による交通障害、停電、雪害などのリスクに対する事前の備えが重要です。

<エルニーニョ・ラニーニャ現象 フロー図>

エルニーニョ・ラニーニャ現象 フロー図

2026年夏に非常に強いエルニーニョ現象が起きるという噂は本当?

気象庁の情報

2026年、日本に「スーパーエルニーニョ」と呼ばれることもある非常に強いエルニーニョ現象が起きる可能性があると言われています。なお、気象庁の2026年6月10日発表の「エルニーニョ監視速報」によると、2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられています。また、今後も秋にかけて継続する見込みとされており、その強さや継続期間にも注目が集まっています。

気象庁/エルニーニョ監視速報
https://www.data.jma.go.jp/cpd/elnino/

定義としては、エルニーニョ監視海域(太平洋での指定海域)の海面水温の基準値との差の 5か月移動平均値【監視指数】が6か月以上続けて「+0.5℃以上となった場合」がエルニーニョ現象で、「−0.5℃以下となった場合」がラニーニャ現象であると、気象庁のサイトで解説されています。

気象庁/エルニーニョ現象及びラニーニャ現象の発生期間(季節単位)
https://www.data.jma.go.jp/cpd/data/elnino/learning/faq/elnino_table.html

さらに、気象庁では、「太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温」が平年より高い状態が続くのがエルニーニョ現象、低い状態が続くのがラニーニャ現象であり、この2つの現象はそれぞれ数年おきに発生し、一度発生すると1年程度継続すると紹介しています。

気象庁/エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
https://www.data.jma.go.jp/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html

JAMSTECの情報

文部科学省所轄の国立研究開発法人 海洋研究開発機構「JAMSTEC / ジャムステック」では、SINTEX-Fというシステムを使い、気象予測を行っています。JAMSTECの最新の報告では、2026年の夏は【強いエルニーニョ現象】および【インド洋での正のダイポールモード現象】が同時に発生するという予測があります。

国立研究開発法人 海洋研究開発機構 JAMSTEC 研究者コラム
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/column-20260528/

正のダイポールモード現象とは、インド洋版のエルニーニョ・ラニーニャ現象ともいえる気候現象で、南東貿易風が強まることによって、西側(アフリカ側)の海水温が高くなり、東側(インドネシア側)の海水温が低くなります。これにより、インド洋東西の海面水温差が大きくなり、周辺地域の大気の流れや降水パターンに影響を与えます。

エルニーニョ現象が発生した場合、日本では冷夏・長雨傾向になるのが一般的ですが、そこへ正のダイポールモード現象が加わると、上空にある空気の流れが変化します。その結果、本来であればエルニーニョ現象のときに弱まりやすい太平洋高気圧が、日本付近へ張り出しやすくなると考えられています。

したがって、2026年のように強いエルニーニョ現象と正のダイポールモード現象が同時に起きる可能性がある夏では、日本付近へ張り出した太平洋高気圧の影響で、平年以上に梅雨時期は長雨や豪雨になったり、夏は猛暑や危険なレベルの熱波が発生したりする恐れがあります。

さらに、正のダイポールモード現象が発生している夏は、沖縄・台湾付近で台風を含む熱帯低気圧の存在頻度が増える傾向にあるという報告もあります。2026年の日本の夏は暑さだけでなく、台風や豪雨、それに伴う土砂災害、農作物被害などへの備えも重要です。

猛暑や異常気象に備えるために今からできる対策

猛暑や異常気象に備えるために今からできる対策

非常に強いエルニーニョ現象と正のダイポールモード現象が同時に発生した場合、想像以上の暑さや豪雨などの異常気象が起こる恐れがあります。被害を最小限に抑えるためにも、家庭や職場で、猛暑や豪雨などの異常気象によるリスクを軽減するための対策を進めておきましょう。

エアコンや遮熱対策を見直す

エアコンをしばらく使っていない場合、暑くなったから稼働したけれどまったく冷えない、といったトラブルが起きる可能性があります。使用頻度の少ない部屋のエアコンも含め、猛暑の前にチェックして、不具合がある場合は早めに修理・買い替えを検討しましょう。

また、太陽光が室内に差し込むと、室内の温度が高くなります。遮熱カーテンやスクリーン、サンシェード、すだれなど、直接日差しが入らないように対策しておくと、過ごしやすい環境になるので、こちらも検討してみましょう。

こまめな水分・塩分補給を心掛ける

猛暑の夏は、知らないうちに水分や塩分不足になる恐れがあります。「のどが渇いてから」ではなく、時間や量を決めて、こまめに水分・塩分補給をすると安心です。ちょっとした外出でも油断せず、水分や塩分の補給用品を携帯しておきましょう。

豪雨や台風に備える

異常気象によって、台風や豪雨のリスクが高まる可能性があります。自宅周辺のハザードマップを確認して、避難場所への移動方法、家族との連絡方法などを決定しておくと安心です。

また、停電や断水、避難生活が余儀なくされる可能性があります。このような事態に備えて、防災グッズの中身を見直す、非常食を数日分用意する、普段からローリングストックを心がける、といった備えをしておきましょう。

企業や工場・倉庫で考えたい暑さ・豪雨対策

企業や工場・倉庫の作業環境によっては、一般家庭よりも暑さが室内にこもり、熱中症のリスクが高まります。企業や工場・倉庫では、遮熱服や空調服の活用、休憩回数の増加、水分や塩分の配布などの対策を行うことで、暑さによる従業員の体調不良を未然に防げます。

また、建物全体の温度が暑くなっている場合は、遮熱塗料「ミラクール」や断熱対策としての「ミラサーモフィルム」を施工して、建物自体が暑くならないように対策するという方法もあります。


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さらに、工場や倉庫が古くなっている場合は、屋根改修や雨漏り対策ができる「リリーフ工法」、防水対策ができる「シームレス工法」などを早めに検討しておくと、建物や設備、従業員への台風や豪雨による被害を抑えられます。


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最後に|エルニーニョ・ラニーニャ現象を知り、暑さへの備えを進めよう

エルニーニョ現象やラニーニャ現象の仕組みや特徴を知っておくと、猛暑や豪雨、寒波などの異常気象に対して事前に適切な対策を講じられます。急な猛暑によって熱中症対策グッズが品薄になるケースも想定されるため、気象庁などが発表する最新の気象情報を定期的にチェックして、現在の動向を把握しておきましょう。

また近年は地球温暖化の影響により、世界的に気温や海面水温の上昇が続いています。そのため、過去には冷夏傾向とされていたエルニーニョ現象の発生時であっても、地域や気象条件によっては厳しい暑さとなる可能性があります。また、ラニーニャ現象の発生時は、地球温暖化の影響と重なることで、猛暑がさらに厳しくなる可能性があります。

今後の気候変化で「一般的な遮熱対策では暑さの軽減が難しい」という状態に陥ってしまった場合は、住宅の遮熱リフォームや、工場や倉庫への遮熱・断熱施工なども視野に入れながら、猛暑や災害への備えを進めておくと安心です。

<この記事のまとめ>

  • エルニーニョ・ラニーニャ現象は、日本にも大きな影響を与える気候現象である。
  • 2026年は強いエルニーニョ現象と正のダイポールモード現象が重なることで、日本は猛暑となる可能性がある。
  • 2026年は猛暑だけでなく、豪雨や台風などの異常気象が発生する可能性もあるため、総合的な備えが重要である。
  • 気象情報を確認しながら、遮熱・断熱など建物の暑さ対策も進めることが望ましい。

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